1.中国越境ECの概要-市場規模や注意点とは-
1-1.中国越境ECの市場規模や近年の売れ筋商品
●中国越境ECの市場規模とは
中国越境ECの代行サービスについて説明する前に、中国越境ECに関する基本情報についてお伝えします。
まず、中国越境ECに参入するにあたって、市場規模はどのようになっているのでしょうか。
経済産業省による推計結果では、中国で日本と米国から購入する形の越境ECでは、市場規模は32,623億円にも上っています。一方、米国は13,921億円、日本は2,765億円となっており、中国の越境EC市場規模は日本や米国と比べても膨大となっています。
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●中国越境ECで近年売れ筋の商品とは
中国越境ECの売れ筋商品には、どのようなものがあるのでしょうか。
日本酒や化粧品といった日本製品は引き続き人気があるものの、コロナ禍で売れ筋商品が変わった面もあります。Nintが公表している中国消費者のECサイト消費動向の2020年1月17日~2月13日のデータによれば、中国大手ECサイトT-mallではマスク、ゴーグル、防護服の売上が昨年と比べて爆発的に増えました。
また、時勢もあり、消毒関連のハンドソープ、消毒液、医療用消毒製品のほか、健康食品のビタミン・ミネラル・カルシウムなども中国越境ECの売れ筋の商品として上がってきています。
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1-2.中国越境ECのプラットフォーム
●中国越境ECでよく使われているプラットフォームとは
中国のBtoC向け越境ECでよく使われているプラットフォームとしては、下記の5つが有名です。
これらの中国越境ECプラットフォームに登録申請し、承認を受ければ、そのプラットフォーム上で商品を販売していくことができるようになります。
1.天猫国際
2.京東全球購(JD Worldwide)
3.豌豆公主(ワンドウ)
4.bolome(ボロミー)
5.網易考拉海購(Kaola.com)
その他にも多くの中国越境ECプラットフォームがありますので、情報収集の一環として、下記の記事などもご覧ください。
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1-3.中国越境ECの成功事例
●中国越境ECの成功事例をご紹介
続いては、中国越境ECの成功事例をご紹介いたします。
中国越境ECの事例は、日本のサブカルチャーから伝統工芸品など、幅広い商材・分野にて成功事例がございますが、今回はアパレルブランド「ユニクロ」を展開する、ファーストリテイリングの事例をご紹介したいと思います。
ファーストリテイリングは、2009年4月からタオバオモールへの出店と自社ECサイト開設を行い、中国越境ECへ参入しました、運用は他社を活用しつつ、中国会員に向けたメールマガジン配信なども実施し、中国のファンを増やす取り組みを始めました。
結果として、独身の日、つまり中国EC全体が値下げセールを行う日でも 2015年には1日限定セールで6億元(約100億円)を売り上げ、中国向けの越境ECで大成功を収めた事例と言えます。
ファーストリテイリングが中国越境ECで成功を収めた背景には、ターゲティングやブランディングはもちろん、タイミングのいい割引キャンペーンの実施や、地域に密着した施策、SNSをフル活用するなどの取り組みといったマーケティングの観点からの工夫も大きく貢献したと言えます。
その他の事例や成功ポイントが気になる方は、下記の記事も合わせてご覧ください。
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1-4.中国越境ECの注意点-規制や関税を解説-
●中国越境ECの規制とは
中国越境ECに参入する際に気を付けたい点として、中国現地の規制をしっかりと把握しておくことが挙げられます。
例えば、中国では、福島県の原発事故を受けて、10都県(福島、群馬、栃木、茨城、宮城、長野、埼玉、東京、千葉、新潟) 産の食品輸入を停止し続けています。
そのため、該当する地域の食品も取り扱っている企業様が中国越境ECに参入する場合は、その規制に該当してしまわない様、注意する必要があります。
※台湾では、2022年2月に規制が緩和されています。
このように中国越境EC特有の規制もありますので、事前の情報収集は欠かさないようにしましょう。
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●中国越境ECで気を付けたい関税
また、中国越境ECに参入するにあたって、関税についてもしっかりと理解をしておく必要があります。
中国越境ECでは、日本国内でEC販売する場合と異なり「商品代金 + 消費税 + 送料 + 関税額」の様に「関税」をお客様が負担することになります。
中国越境ECは、上記の関税に加えて、増値税、消費税、行郵税といった税金もかかります。越境ECには商品カテゴリーごとに、行郵税という輸入関税が存在するので、例えば、ベビー用品には10%の行郵税がかかるといったように、税金がかかってきます。
その他、中国越境ECの関税を始めとする税金については、下記の記事にて解説しております。
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2.中国越境ECには代行サービスが便利な理由
中国越境ECに取り組むに当たり、中国越境ECには代行サービスが有用です。それはなぜなのでしょうか。その理由をいくつかピックアップします。
2-1.グレートファイアウォールの面
中国は、「金楯」という中国政府が規制しているインターネットの大きな壁、いわゆる、グレートファイアウォールが存在しており、中国在住者は、海外サイトへはアクセスできません。このことから、中国ECで日本製品を売りたいと思った場合工夫が必要になります。
仮に日本で中国向け越境ECサイトを立ち上げたとしても、表示速度が異常に遅い、もしくは遮断されるといったことが起きる可能性があります。このことから、天猫国際のような越境ECモールに出店する、中国法人を現地で立ち上げ、サーバーを中国で用意してECサイトを構築するなどの方法をとる必要があります。
2-2.言語・決済(関税)の面
中国で物を販売していくに当たり、当然中国語で表示し、コミュニケーションも中国語で行っていく必要があります。また、中国へ物品を配送する際には、関税についても配慮しなければなりません。言語対応と共に、関税の知識と対応が必要になります。
2-3.物流の面
どのように配送するのかも越境ECでは非常に重要です。現地から直接発送するのか、それとも中国現地の倉庫に一時的に置いておき、そこから商品を中国人ユーザー宅へ配送するのかなど、さまざまなパターンがあります。中国の物流に精通しているアドバイザーがいると安心です。
【参考】
2-4.中国ならではの市場・マーケティング専門知識の面
その他、中国ならではの市場やマーケティングに関する専門知識は必要不可欠です。その知識が一つでもなかったがために、大きな落とし穴にはまってしまうこともあります。
【参考】
3.中国越境EC代行の種類
上記のことを考えると、代行サービスを利用したほうが効率的に中国進出を図ることができるのではないでしょうか。そこで中国越境ECを代行しているサービスが提供している主なサービスについて、種類ごとにみていきましょう。
3-1.商材ニーズを調査
中国市場、消費者のニーズなど、まずは自社の商材ニーズを調査してくれる企業もあります。より中国で売りやすい、売上が期待できる商品を効率的に売ることができます。
3-2.モール出品代行
中国で越境ECモールに出店するのに際して、現地での銀行口座開設など、さまざまな手続きが必要になることがあります。そうした一切の手続きをすべて代行してくれるサービスがあります。
3-3.モール出店サポート
中国越境ECモール出店する際に、一からサポートしてくれるサービスです。
3-4.越境ECサイト運営代行
ECサイトが構築や、中国越境ECモール出店が叶ったら、運営していく必要があります。中国のお客様からの問い合わせ対応などの越境ECサイトの運営代行も一つの重要なサービスです。
3-5.マーケティング代行
中国市場動向をよく知り、どのような手法やツールでマーケティングを実施すると結果が出やすくなるのかを知り尽くしている、実績のある代行サービス業者も存在します。
4.中国越境EC運用代行会社の選び方
代行サービスを利用する際に、どのような会社を選ぶと良いでしょうか。中国越境ECの運営代行会社の選び方についてご説明します。
4-1.中国国内の事情に詳しい会社
先述の通り、中国越境ECへの進出には様々は課題があります。集客を目的とした市場規模だけでなく、法律や規制など内情についても、詳しい会社を選びましょう。代行会社の中には、トレンドやプロモーションの提案をしてもらえたり、物流や配送形態の相談ができる会社もあります。
4-2.実績がある会社
越境EC運営代行会社を選ぶときは、代行実績を確認しましょう。中国越境ECについて精通している会社であれば、細かい課題点までサポートしてくれます。また、テンセントやアリバナから、パートナー認定を受けている会社から探しても良いかもしれません。
4-3.必要な代行サービスがそろっている会社
中国越境EC代行の種類の中から、自社に必要なサービスを考えましょう。例えば、お客様にリピートしてもらうためには、梱包やお問い合せなどのサービスの質も大切です。中国の客様からお問い合せがあった際に、顧客対応がスムーズにいかなければ、不信感につながります。自社で対応できるサービスと、運営代行するサービスを洗い出しましょう。
5.中国越境EC出品代行サービス「淘最JAPAN」
中国越境EC代行サービスの中でも「淘最JAPAN」は、中国最大アプリ「WeChat」内の越境ECにへの出品代行サービスです。
出品代行だけでなく、お問合せサポートやプロモーションのご支援まで行います。中国語対応できるスタッフがいなくても、当社にてお問い合わせ対応までワンストップでサポートいたします。
また国内にある当社倉庫まで商品を発送いただけますと、日本国内から海外への発送手配は弊社にて代行いたします。
WeChat実績が250社ある当社が運営する越境ECサイト「淘最JAPAN」で中国進出してみませんか。
【参考】
WeChat内越境ECサイト「淘最JAPAN」出品代行サービスはこちら
6.まとめ
中国では、日本とは商習慣も異なる上に、ネット規制がかかっているなど、大きな違いがあります。より中国越境ECを効率的に実施していくためには、代行サービスを利用することも、結果を出すための近道かもしれません。