越境ECは今、ECが急速に伸びている中国において非常に活性化しています。もちろん、日本や米国でも越境ECは存在しますが、中国の勢いには劣ります。
日本商品を海外に売るべく進出を考えている場合は、まさに今、中国に注目すべきといえます。そこで今回は、中国越境ECの概要と成功のポイントを解説します。
1.中国越境ECの概要
アイリサーチのデータによると、中国における2016年のインターネットショッピング市場で、BtoCの販売額は2兆6,000億元(約41兆6,000億円、3,939億ドル)となったといいます。これは前年比31.6%増です。
これを見ただけでも驚異的な成長を見て取れるように、中国では大きくECが伸びているのです。
さらに、越境ECが伸びている理由として、国内総生産GDPや所得が増したことなどにより、より高品質な商品を欲しがる傾向が強くなっていることが挙げられます。
このような中、質が高いといわれている日本の商品は、注目の的となっています。京東(JD.com)のプラットフォームによると、日本からの越境ECでの売れ筋商品は健康食品、ベビー用品、化粧品などとなっています。
【参考】
2.中国越境ECの3つのモデル
越境ECに取り組むなら、押さえておきたい国の筆頭は中国。中国越境ECでは、商品の届け方によって直送モデル、特別区活用モデル、販売委託モデルの3つのモデルがあります。いずれも越境ECには変わりはありませんが、配送の方法が大きく異なります。
2-1.直送モデル
直送モデルはその名の通り、中国から注文が入り次第、日本の倉庫などから直接中国へと配送するモデルです。
2-2.特別区活用モデル
中国の倉庫に商品を保管し、中国から注文が入り次第、中国国内から発送する配送モデルです。
2-3.販売委託モデル
中国でEC店舗を所有している、もしくは中国のモールに出店している業者に、商品販売を委託するモデルです。商品は日本から中国の業者の倉庫に配送するのが一般的です。
【参考】
3.中国越境ECの成功ポイント
中国越境ECを成功させるためにはポイントがあります。ただモールに出店し、商品を販売すればよいというわけではないのです。次のことにポイントを置いて実施する必要があります。
3-1.出店先を吟味する
中国越境ECでは、出店先を吟味することが欠かせません。越境ECをはじめやすいのは、業者に委託するか、中国のモールに出店するかということです。中国には越境EC向けのさまざまなプラットフォームがあります。代表的なのが、天猫(Tmall.com)、京東(JD.com)などです。iiMedia Research Group"2016-2017 China Importing E-business Market Researchによると、2017年の上半期の中国における越境ECのシェアは、次のランキングになっています。
1位 網易考拉海購(Kaola.com) 24.2%
2位 天猫国際(Tmall.hk) 20.3%
3位 唯品会(global.vip.com) 15.7%
4位 京東全球購(jd.hk) 12.5%
3-2.販売する商品と価格
また、何を販売するか、価格はどうするかということについて、中国の市場に合わせて検討する必要があります。日本で売れているからといって必ずしも中国で売れるとは限りません。また、中国の消費者に合わせた価格で展開する必要があります。
3-3.プロモーション方法
ただ販売するだけでは、成果を出すことは難しいでしょう。中国で人気のSNSでプロモーションを行うなどしてブランド認知を行う必要があります。
3-4.ユーザー対応
ユーザー対応は思っている以上に重要です。中国では、ユーザーが直接チャットで問い合わせや値下げ交渉をしてくるのが一般的だからです。
3-5.中国の商習慣に従う
ぜひ中国の商習慣に従いましょう。中国越境ECを攻略するうえで、欠かせない取り組みとなります。11月11日の独身の日をはじめとした特別な日を押さえてセールを実施する、先にご紹介した値下げ交渉に対応するなどして、中国の商習慣に従うことをおすすめします。
3-6.小さく始める
まずは小さく始めて、中国での越境ECが軌道に乗ってきた頃からどんどん商品数を増やすなどして拡大していくのも一つの方法です。この方法であれば、大きな失敗を防ぐことができます。
4.まとめ
中国は越境ECに乗り出すには格好の場といえますが、ただモールに出店するだけでは成功は難しいといえます。成功ポイントをよく押さえたうえで出店するのをおすすめします。