1.カスタマーエクスペリエンスとは?
いま、中国ECでは、カスタマーエクスペリエンスを向上させることで、売り上げアップをねらう施策が注目を集めています。カスタマーエクスペリエンスとは、消費者が購買を行うまでの、さまざまな体験において、商品を売る側が提供する付加価値のことを指します。
顧客に期待に沿った、もしくは期待以上のことを体験してもらうことで、企業に対して優れた印象を持ってもらうことができます。ポジティブな印象を持ってもらえば、その顧客だけでなく、その顧客の友人や家族に口コミが広がり、情報もシェアされるはずです。それにより、企業は連鎖的にさらなる得を生み出すのです。
ではカスタマーエクスペリエンスとは、具体的にはどのようなものなのでしょうか。
それは、消費者が商品を選択する際の情報収集の時点からはじまっています。消費者が何か知りたい情報があったとして探したところ、不要な情報しか公式Webサイトに掲載されていなかったらどうでしょう。きっと、その時点でその企業に対して幻滅してしまうはずです。また、問い合わせをして対応が悪ければすぐに他社にいってしまうでしょう。もし商品を購入したとしても、保証のきくものであれば保証の対応が悪ければ二度と買うことはないはずです。
オラクルが実施した「カスタマー・エクスペリエンスに関するグローバルの調査報告書」の調査は、北米、ヨーロッパ、日本、アジア・パシフィックとラテンアメリカの18か国の企業経営幹部1,342名を対象に実施されたものですが、この結果によると、実際にカスタマーエクスペリエンスの質の低さが理由でブランドを乗り換えた顧客は89%に上っていたそうです。このようにあらゆる消費者の購入体験上で接点となるところを、手を抜かずにいかに優れたものにするかが重要です。