1.中国の購買習慣に慣れることが勝敗を決める!
中国ECで成功するための第一歩として、中国の購買習慣に慣れることが重要だといわれています。
例えば、イタリアンレストランのチェーン店を展開するサイゼリヤは、中国に出店したところ、大ヒットしたと報じられています。その背景として中国メディアは、中国人にとってコストパフォーマンスが非常に良いことが要因ではないかと述べています。
他にユニクロの事例も参考になります。
2017年にユニクロは、シングルデーにおいてO2O施策を実施しました。ネットから注文して店舗受け取りを指定すると10元割引、サイズが合わなければ交換・返品などに応じるといったサービスを提供しました。これも、中国人のECにおける購買行動をよく分析した上での施策と考えられます。
2.日本と中国のECの違いまとめ
日本のECと中国のECには、いくつか違いがあります。その違いをまとめてみます。
2-1.中国では値引き交渉が入る
中国では、必ずといっていいほど、実店舗、EC問わず、何かものを買う前には値引き交渉を行うのが当たり前のようになっています。日本でも家電購入の際や、商店街などで値引き交渉をすることがありますが、ECではそもそも値引き交渉しようとは思いません。クーポンやポイントを使う程度です。しかし中国ではECにおいても積極的に値引き交渉をチャットなどで行います。ただし、これは信頼のおけるショップか、商品は本物かなどを確かめる意味合いもあるといわれています。詐欺や偽造品が多く出回っていることが背景にあるためです。
2-2.問い合わせ対応はチャット主流
値引き交渉に関連していますが、問い合わせ対応はチャットが主流になっています。通常、問い合わせというとお問い合わせフォームから送り、後日返答というのが日本企業では通例になっていますが、中国ではチャットが主流になっています。このように中国ではスピードも重視されるという特徴があります。
2-3.決済方法の違い
決済方法も日本と中国とでは異なります。例えば、中国ではアリババのアリペイ(Alipay/支付宝)や、テンセントのWeChat Pay(微信支付)をはじめとした第三者エスクロー決済が主流となっており、中国越境ECの決済手段の約80%のシェアを占めています。第三者エスクロー決済とは、顧客が一時的に信頼のおけるアリババやテンセントなどの大企業へと購入代金を支払っておき、無事に商品が届いて何も問題ないと顧客が判断したら、店舗側に購入代金が振り込まれるしくみです。これも詐欺や偽造品を避けるために、確実に商品を手に入れるための回避策の一つとなっています。
2-4.天猫(T-Mall)は7日間理由無し返品を担保
中国最大のECモールといわれる天猫(T-Mall)は、7日間だけ、理由なしの返品を担保しています。通常、日本のECを見渡してみると、返品は理由に応じて対応が変わり、理由なし返品はあまり見られません。
3.まとめ
中国のECで成功を勝ち取るためには、習慣を理解し、取り入れることが必要不可欠といわれています。そして敗因は、その習慣に合わせられないことにあるといわれています。よく中国の習慣を理解して、その背景を知ることが成果につながると考えられます。