1.中国の旧正月(春節)とは
1-1.2018年の旧正月は2月16日
今年の旧正月(春節)は2月16日です。この日へ向けて、盛大なお祝いを家族そろって迎えるために、中国人たちは買い出しを始めるといわれています。
その際、多く購入される商品ジャンルは、食品や装飾品といわれており、それらは「年貨」と呼ばれます。実際、買い出しに人々が集まる店舗は、この時期に年貨商戦を始めるのです。
1-2.旧正月に日本で購入するものは?
この旧正月の時期に、日本に訪れる中国人たちはどのような商品を買っているのか気になるものです。
株式会社トレンドExpressが行った2017年の旧正月期間に日本で買った商品カテゴリの調査結果によると、1位は化粧品、2位は生活用品、3位は医薬品、4位は健康食品・サプリメント、5位はベビー用品となっていました。
また6位以下は、お菓子、服飾、美容家電、食品、デジタル製品と続いていました。
この調査は、SNSであるWeibo(微博・ウェイボ―)で「日本で〇〇を買った」と書き込まれた投稿を収集した結果です。
2.旧正月では中国ECはどうなる?
2-1.仕入れ元・配送業者も休暇に入る
中国ECにおいては11月11日の「独身の日」が毎年、年を重ねるごとに非常に盛り上がりを見せています。ECユーザーにとっては最も買い物意欲が上がる時期といえるのです。
では、旧正月の時期にはどうなっているのでしょうか。
旧正月の時期には、「春節セール」と題して、各EC店舗がセールを実施します。しかし、独身の日と大きく異なる点は、旧正月の時期には、中国ECの仕入れ元や配送業者などが全面的にお休みに入るという点です。
仕入れについては、早めに旧正月休み分をストックしておくことで対処ができますが、物流がストップしてしまうと中国ECそのものが機能しなくなってしまいます。
そのため、中国EC全体は、セールを開催するものの、多少“お休み”モードの気配もあるようです。
2-2. 紅包キャンペーン
そのような中、中国ECでは近年、旧正月の時期は日本でいう「お年玉」である「紅包」(ホンバオ)に着目したキャンペーンが開催されています。
紅包とは、旧正月に子どもだけでなく、親や親戚、友人などにも配られるもので、中国の伝統的な慣習の一つだといわれるものです。
2015年の旧正月時期には、紅包キャンペーンとして、中国EC最大手のアリババによる「支付宝(Alipay)」、テンセントによる「微信支付(WeChat Pay)」、百度による「百度銭包」などが、こぞって商戦を繰り広げました。
「春節聯歓晩会」という国民的なテレビ番組と提携し、番組内に行われる掛け声にあわせて、テレビの前のユーザーが手持ちのスマートフォンを振ることで紅包がもらえる仕組みでした。その金額は、数百元~数千元とされており、各社合計で、約100億元、つまり約1,900億円相当がお年玉として配られたと報じられています。
【参考】
3.日本企業がやるべきこと
旧正月に向け、中国ECに乗り出している日本企業が取り組むべきなのはどんなことなのか、確認しておきましょう。
3-1.仕入れを事前にしっかり行っておく
旧正月は2月16日ではあるものの、旧正月の期間は毎年、3週間ほど続きます。つまり、旧正月の一週間前くらいから3週間ほどはお休みと考えなければなりません。
まずは仕入れ元の休暇日を確認し、在庫切れを起こさないように、仕入れをストックしておくことが欠かせません。また、物流会社が休暇に入ることも想定しておかなければなりません。
3-2.プレゼントキャンペーンを実施する
また、物流がストップすることもあり、購買促進よりも紅包やプレゼントキャンペーンへの参加に向かわせるのも一つの方法です。「お祝い」気分を盛り上げるように、日本企業もそうした時期に合った取り組みを見せると、中国人ユーザーも注目してくれるでしょう。
4.まとめ
中国の旧正月は、かきいれ時ではあるものの、中国ECにおいては業者が休暇に入ることも考慮し、うまく準備と施策を実施しながら売上アップにつなげる必要がありそうです。