年々、その盛り上がりが増している11月11日の独身の日。中国ECの熱が最高潮に達する一大イベントになっています。もちろん、今年2017年の11月11日にも大盛況となりました。
そこで今回は、2017年独身の日の中国EC最大手のアリババグループの結果から、日本企業の状況まで、ハイライトをご紹介します。
1. 今年の独身の日のアリババグループの総取扱高は?
今年2017年の独身の日に、中国EC最大手のアリババグループが、天猫(T-mall)や淘宝(Taobao)などのECサイトで記録した最終取扱高は、1,682億元、日本円にして2.85兆円となりました。2016年は1207億元で2.05兆円であり、0.8兆円ほど伸びています。昨年比で39.3%増です。
11月11日に日付が変わってから2分で約1,130億円に達し、2時間で総取扱高のほぼ半数を超えたといいます。そして驚くべきことに、開始から3時間で、昨年の総取扱高2.05兆円を達成したと報じられています。
その他、今年は昨年よりも注文数がアップし、6.57億件から8.12億件と大幅アップしたといわれています。また、モバイル決済についても昨年の82%から今年は90%にアップし、モバイルでの購買が非常に多い状況が分かります。
また、商品のジャンル別でいえば、生鮮食品は昨年の約4倍、家電製品は昨年の約2倍に売上が増加したと伝えられています。
2.全体のハイライト
2-1. 京東商城の最終取扱高
アリババグループの他にも、独身の日には中国EC全体が活況を呈します。
中でも、京東商城が運営するJD.comの最終取扱高は1,271億元で、日本円で2.16億円となりました。昨年の401億元と比べて約3倍と飛躍的に向上し、周囲を騒がせています。スマートフォンやノートPCの他、テレビ、エアコンなどの家電製品が人気だったそうです。
2-2. 無人の物流センターを導入
この独身の日で、毎年懸念されるのが配送についてです。これまでの経験から、荷物取扱量の大幅な増加が見込まれ、アリババと京東傘下の物流会社は無人のロボット使用の物流センターを導入したといいます。
3. 日本企業の成果
日本企業は、越境ECの流通総額において第1位となりました。これは昨年に引き続きの功績です。第2位はアメリカ、第3位はオーストラリア、第4位はドイツ、第5位は韓国となりました。
3-1. アパレル関連はユニクロが女性1位と男性2位を獲得
中国越境ECで際立っている日本企業といえば、ユニクロのファーストリテイリングです。11日17時時点で、昨年と比べて約4.5倍もの売上高を記録したと発表しました。ジャンル総合売上ランキングにおいては第6位となり、アパレル女性ジャンルでは第1位、アパレル男性ジャンルでも第2位の売上を獲得しています。
その人気の背景には、ユニクロのネットショップで商品を購入し、全国のユニクロ店舗で商品を受け取る場合、10元(日本円で約170円)値引きするというO2O(Online to Offline)施策が効果を発揮したといわれています。
3-2. 独身の日前に日本国内でも告知
独身の日にかける日本企業の情熱は、年々高まっているようです。例えば、カネボウの化粧品ブランド「KATE」は、渋谷109の看板で独身の日を積極的にアピールしました。
これは独身の日が日本においても大きな意味を持つようになってきたということを意味するのではないでしょうか。
3-3. 日本製おむつや化粧品は変わらず人気
独身の日には、花王をはじめとしたヘルスケア・化粧品関連の大手日本企業も健闘しており、日本製おむつや化粧品類の売り上げを伸ばしたといわれています。
4. まとめ
今年は昨年以上に総取扱高が伸びた独身の日。日本でも認知度が高まり、世界的なイベントになりつつあります。来年以降も、さらに日本勢の活躍が期待されます。