中国ECといえば、さまざまな記念日に開催されるセール。11月11日の独身の日セールはもはや定番になりました。他にもセールが開催される日はいくつかあります。京東商城(JD.com)を運営する京東集団が設定した「6月18日」も、一つの記念日セール開催日となっており、毎年アニバーサリー記念セールを開催しています。
いつしか他のショップもセールを実施するようになったこの6月18日。
今回は「京東618」について、その概要をご紹介します。
1. 京東商城(JD.com)の「京東618」とは?
京東商城(JD.com)は、京東集団(ジンドン)という会社が運営する中国ECの巨大モールの一つです。ちょうど日本のAmazon.co.jpのように自社販売を得意としており、中国では信頼がおける店として評判があります。他店舗の出店もあり、電化製品を中心に、家具、雑貨、日用品など幅広く取り扱われています。
そんな京東商城(JD.com)では、毎年、創業記念日である6月18日を中心に、大きなセールが開催されます。「京東618」と名付けられたこのセールの取引額は、2017年の6月1日~18日までについては176億ドルと発表されました。日本円に換算すると約2兆円です。
2017年は女性の新規の買い物客が前年よりも約2倍増加し、ファッションやベビー商品などに人気が集まったようです。
2. 京東商城(JD.com)の特徴
京東商城(JD.com)には、海外企業向けに「京東全球購(JD Worldwide)」というサイトもあり、すでに日本企業も多く出店しています。例えば、ユニクロやミキハウス、赤ちゃん本舗、爽快ドラッグなどがあります。
ただし、出店できるのは、メーカーか正式な代理店限定であり、品質と信頼が高い水準で保たれています。
日本商品の中で人気なのはベビー商品であり、とくに日本の品質の高い紙おむつは売れ筋商品のようです。
3. 京東商城(JD.com)と天猫(T-mall)との違い
ところで、中国ECモール大手といえば、アリババグループの「天猫(T-mall)」です。京東商城(JD.com)との大きな違いは、天猫(T-mall)がメーカーや企業が自身で運営をするというモデルに対し、京東商城(JD.com)は卸価格で買い入れた商品を自社独自で販売しているという点です。
また、天猫(T-mall)にも「天猫国際(Tmall.HK)」という越境EC専門サイトがあります。京東全球購(JD Worldwide)と売上を比べてみると、天猫国際(Tmall.HK)のほうが多く、2016年の総売り上げでは約1.5倍の差 があるといいます。
ただ、6月においては京東618の影響で、天猫国際(Tmall.HK)よりも京東全球購(JD Worldwide)のほうが多く売り上げています。
また、売れ筋商品ジャンルとしては、天猫国際(Tmall.HK)では化粧品となっています。京東全球購(JD Worldwide)が最も売れ筋が高いのはベビー関連商品であるため、ここも違いの一つでしょう。
4.「618商戦」として他ショップもセールを開催
実は、6月18日にセールが開催されているのは京東商城(JD.com)内だけではありません。「618商戦」ともいわれており、この日周辺には京東商城(JD.com)に対抗するために、他社の天猫(T-mall)をはじめとしたECサイトもこぞってセールを実施するようになっています。
年々、その規模が大きくなっていることから、今後、11月11日の独身の日に匹敵するほどの日となることが予測されています。
5.まとめ
京東商城(JD.com)の創業記念日だった6月18日の記念セールが、もはやアニバーサリーセールを超えた、中国EC全体に影響を及ぼす日になっています。この調子でいけば、11月11日の独身の日に匹敵するほどの大規模セール日になる日は近いのではないでしょうか。
これから中国EC出店を考えている日本企業は、中国EC大手の天猫(T-mall)と共に、京東商城(JD.com)特有の強みに注目しながら、今後の一手を選んでいくことも考えたいものです。