1.天猫国際とは?
天猫国際とは、アリババグループが運営する中国最大といわれる越境ECサイトです。92の国・地域が参加しており、取り扱われているブランドは25,000以上、カテゴリーは5,100以上にも上ります(2020年10月末時点)。
中国では、偽物が横行していることから、特に海外ブランド・製品についての偽物か本物かの見極めは非常に重要視されています。また、現地中国人消費者からすれば、なじみのない商品もあることから、中国越境ECは信頼性が重要になってきます。
その点、天猫国際は、信頼性の面では中国人消費者から高い評価を得ているといわれています。
●天猫国際を利用するユーザー層
天猫国際には、安全と品質にこだわる「中間所得層」のユーザーが多く、46%ほど存在するといわれます。また、30歳以下の若い消費者やデジタルネイティブユーザーも目立ちます。
●日本商品の人気が高い
アリババグループが2019年11月11日に開催した「天猫ダブルイレブン」ショッピングフェスティバルの越境ECにおける国・地域別流通総額ランキングでは、日本が4年連続1位を獲得しました。このことからも、中国EC最大手である天猫国際では日本商品の人気が高いことがうかがえます。
2.天猫国際の3つのビジネスモデル
中国EC最大手の天猫国際に出店する場合、3つのビジネスモデルから選ぶことができます。
2-1.Tmall Global (TMG)
小売り形態です。TP(天猫パートナー・Tmall Partner)のサポートを受けながら天猫国際上のお店を運営する自社管理型の旗艦店ビジネスモデルです。専用のCRMプログラムで運営していきます。保証金、年会費、各種サービス料などの諸経費がかかります。
2-2.Tmall Direct Import (TDI)
卸売形態です。アリババがブランドやサプライヤーから商品を購入し、天猫国際上で販売します。運営はアリババのTDIカテゴリーチームが行うため、日本企業は店舗を持たず、販売を委託する形になります。売れ筋商品の安定した売上を確保することができます。
2-3.Tmall Overseas Fulfillment (TOF)
卸売形態です。アリババの海外倉庫を活用して天猫国際上のTOFストアにて販売することができるモデルで、アリババのTOF運営チームがお店を運営します。初めて中国市場への参入やテスト販売を考えているブランド向けです。
3.天猫国際の出店条件
天猫国際に出店したい場合には、出店条件を満たす必要があります。
詳細は申請する際に確認すべきですが、おおむね、次の条件があるといわれています。
・外資企業である
・自社所有ブランドがある
・商標を取得している
・規模が大きな大手企業であること
・業界第3位以内であること
・自国内で認知度が高いこと
・売り上げが期待できること
・越境EC専門チームを持つこと
ただし、ここでご紹介したものは現在の最新のものかどうかはわかりませんので、必ず申請前に確認が必要です。
4.天猫国際の出店の流れ
では、天猫国際に出店する際の流れをみていきましょう。
(1)事前審査
事前審査では、出店条件を満たしているかどうかが審査されます。
(2)本審査
事前審査に通過した後、本審査になります。ここでは必要書類の提出を求められます。
本審査の前後で費用を入金する必要があるといわれているため、事前にいくらかかるのか確認しておきましょう。
(3)店舗ページ作成
本審査に通過したら、いよいよ天猫国際上に販売ページを作成することができます。商品画像や商品紹介の文言を登録していきます。
(4)天猫国際の店舗オープン
準備が整ったら店舗をオープンさせることができます。
●費用について
詳細は確認が必要ですが、費用については事業運営費や保証金の支払いが必要になります。
また売り上げに応じた委託手数料の支払いがあります。
5.まとめ
天猫国際に出店する方法をご紹介してきました。出店を希望する場合には、まず条件や費用をアリババに直接確認し、その上で事前審査の申し込みをしましょう。