1.中国越境ECが成功している企業の共通点3つ
中国越境ECが成功している企業の共通点をあえて挙げるとすれば、次の3つが大きいものとして浮かび上がってきます。ひとつひとつ、詳しくみていきましょう。
・SNSを上手く活用している
・露出と見せ方が上手い
・KOLなど影響力のある人を起用している
1-1.SNSを上手く活用している
中国越境ECを行う際には、主に中国越境ECモールへの出店が多くイメージされるでしょう。その場合、自店舗ページへユーザーをいかに誘導するか、もしくは見込み客を作り、育成していくかが焦点となります。
1-1-1. WeChat(微信・ウィーチャット)で情報発信を行う
有効なのが、WeChat(微信・ウィーチャット)での集客施策や、マーケティング活動による見込み客の育成です。
WeChat(微信・ウィーチャット)は、中国最大のSNSといわれており、月間アクティブユーザー数が11億人を超えます。もはや中国ではSNSというよりも、生活のどのシーンでも活用されるインフラとまでいわれています。
中国人の口コミを重視する傾向も手伝い、SNS上では商品やサービス、店舗などの口コミ情報も飛び交っています。SNSを上手く活用できている企業は、WeChat(微信・ウィーチャット)上で有益で役立つ情報を流しています。商品の価値を伝えるほか、クーポン・割引情報を提供するなどです。これらは企業・商品のファンづくりに役立ち、自店舗サイトへの誘導にもなるでしょう。
1-1-2.WeChat(微信・ウィーチャット)でKOLマーケティングを行う
KOLと呼ばれるインフルエンサーを起用し、良質の口コミ情報として情報拡散するという方法で、SNSを有効活用している企業もあります。KOLは中国人ユーザーにとって非常に信頼できる情報源ですので、自社商品が評価されれば、自店舗サイトへの誘導になるでしょう。またKOLが商品を高く評価することで、その商品の価値が上がり、ファンも増えていきます。
1-1-3.WeChat(微信・ウィーチャット)上に越境ECサイトを構築する
WeChat(微信・ウィーチャット)上に、越境ECサイトを構築する企業もあります。これもSNSを上手く活用しているといえます。
そもそも、WeChat(微信・ウィーチャット)上に、越境ECサイトを構築することなんてできるのかと疑問に思った方も多いかもしれません。実は「ShopCN(ショップシーエヌ)」というサービスなら可能なのです。
ShopCNは、JC Connect株式会社(以下、JCC)による中国向け越境ECサイト構築支援サービスです。2017年7月より提供されており、このサービスを利用すれば、WeChat(微信・ウィーチャット)の企業公式アカウント内に越境ECサイトを構築し、運営することができます。
JCCは、経済産業省が越境EC導入のためのITツールにかかる費用負担を軽減するために実施する「IT導入補助金2020」において「IT導入支援事業者」に採択され、ShopCNはIT導入補助金2020対象ツールとなりました。対象ツールとして採択されたという点から、評価の高いツールであることが分かります。
ShopCNを利用することで、自社商品をWeChat(微信・ウィーチャット)自社公式アカウント内で販売が可能となり、決済は「WeChat Pay(ウィーチャットペイ)」というWeChat(微信・ウィーチャット)が持つ決済機能にて、円建てが可能です。
さらに受注データをCSV データで抽出できるので、販売管理を行っていくことが可能です。またJCC が提供するテンセント(※)公式広告から、より多くのユーザーを自社公式アカウント及び 「ShopCN(ショップシーエヌ)」の商品販売ページに流入させることが可能になります。
※テンセント…WeChat(微信・ウィーチャット)を運営する企業
このShopCN利用企業の多くは、すでに中国越境ECで成果を出しています。
1-2.露出と見せ方が上手い
中国越境ECで成功している企業は、「露出と見せ方が上手い」という共通点があります。
取得した顧客データなどを活用し、中国人消費者のニーズをとらえ、彼らが惹かれるものは何かを明確に突き止めています。
その上で、広告や自店舗サイトのデザイン、CMなどでは、中国人消費者から見た「素晴らしい」「価値のある」「購入したくなる」露出と見せ方をしていきます。それはデザインや色、起用する有名人などのビジュアル面はもちろんのこと、商品割引セールなどの施策面にも現れています。単にセールを実施するだけではなく、例えば、中国人の間ではおなじみの「紅包」というお年玉に絡めてキャンペーンを実施するといったことです。
それができるのは、顧客・ターゲット分析がしっかりとなされており、中国人ユーザーの国民性や嗜好性をよくとらえている賜物といえます。
1-3.KOLなど影響力のある人を起用している
KOLなど影響力のある人を積極的に起用していることも、中国越境ECで成功している企業の共通点といえます。
先述の通り、SNSでもKOL活用は有効ですし、露出においても注目度が格段に上がります。
KOLは、Weibo(微博・ウェイボー)などのSNSにおけるフォロワー数によって、トップKOL、ミドルKOL、マイクロKOLといった三段階に分かれるといわれています。
大企業は、コストをかけてトップKOLで爆発的な影響力によって商品価値を強化します。一方で、ミドルKOLやマイクロKOLも彼らが得意とする方法での伝播力で、効果を発揮するため、上手く使い分けている企業もあります。
また、KOL起用が上手い企業は、影響力のある人を起用するのはもちろんのこと、自社商材に合ったKOLとメディアを厳選していることも成功の背景といえます。