1.中国ママの約6割が越境ECで日本製品購入増
育児動画メディアBabilyを運営するOnedot株式会社が、2020年4月28日から5月7日の期間、上海の0~3歳の子供を持つ既婚女性100名を対象に、越境ECに関する調査を実施しました。この調査結果により、渡航制限以降の越境EC利用状況を知ることができます。
日本への渡航制限が出されてから、中国在住ママの58%が以前と比べて日本製品の越境ECでの購入が増加したと回答しました。反対に、減少したと回答したのはわずか8%でした。
なぜ日本製品の購入が増えたのかと聞いたところ、1位は「日本に行って買い物ができない」、2位は「家族や友達から日本製品を勧められた」、3位は「KOLが日本製品を使用していた」となり、おおむね日本への渡航ができないことで、越境EC に流れたと考えられます。
訪日の購入ニーズがECに流れているともいえることから、売る側も越境ECへとシフトしていく必要があると考えられます。
中国ママにはどのような製品が求められているのか
中国在住のママが越境ECで日本製品の購入が増えていると分かった今、具体的にどのような製品が増えているのかを知りたいものです。
2-1.越境ECで購入が増えた日本製品トップ3
同調査で、越境ECで増えた日本製品を中国ママに挙げてもらったところ、トップ3は、次の結果となりました。
第1位「スキンケア」53%
第2位「メイク」45%
第3位「ボディ・ヘアケア」41%
女性向け製品が目立ちます。その他、ベビー・マタニティー、生活日常品など、子育て中のママにとって役立つ製品の需要も高まっているようです。
これらの製品は、これから越境ECに取り組む際に狙い目といえそうです。
2-2.中国ECではコロナで健康食品の売上急増
その他にも、中国越境ECに取り組む際に、全体的にどのような製品が今、注目されているのかを知る必要があります。
Nintの中国ECにおける2020年1月17日~2月13日の統計によれば、健康食品の売上が昨年より急増しており、特に「ビタミン、ミネラル、カルシウム」の製品の売上が大きく伸び、4.7倍となりました。
さらに、「植物エキス」が昨年比2倍、「プロテイン、アミノ酸、コラーゲン」が昨年比1.3倍にも上りました。
これは中国ECの統計ですが、中国越境ECでも美容関連製品だけでなく、健康関連も押さえておく必要があるかもしれません。
2-3.通常期に中国ママに売れていた越境ECの育児関連日本製品
加えて、コロナ以前の通常期において、中国ママに、越境ECで売れていた製品も、押さえておけば安心と言えそうです。
リクルートライフスタイルが実施した「中国人ママの育児用品の購入に関する調査2016」の結果によれば、越境ECを「よく利用する」(23%)、「たまに利用する」(64%)という状況で、利用の理由として「品質が高い商品が多い」(68%)と「安心・安全な商品が多い」(64%)の2つが大きいことが分かりました。
越境ECで関心のある日本製マタニティ・育児用品については、トップ3が「ベビースキンケア」(50%)、「ベビー服」(44%)「妊婦向けサプリメント・健康食品」(29%)でした。育児用品に限って見てみると、スキンケアや衣類に需要があるようです。
まとめ
コロナ影響下における、中国越境ECで中国ママが求める日本製品を探ってきました。中国ママや女性向け製品を越境ECで考えている際には、押さえておく必要があると考えられます。