1.WeChat(微信・ウィーチャット)とは?
WeChat(微信・ウィーチャット)は、中国では「微信(ウェイシン)」と呼ばれている、中国人に人気のSNSです。今、最もユーザー数を伸ばしているSNSといっても過言ではありません。
1-1.WeChat(微信・ウィーチャット)の機能
機能は、いわゆるLINEのような無料のインスタントメッセンジャーアプリです。 ただメッセージを文字、音声で送り合えるだけでなく、ソーシャルネットワーキングとしての機能も持ち合わせています。これを「モーメンツ」と呼びます。モーメンツでは、TwitterやFacebookのように短い文章や画像を投稿することによって、情報共有をすることが可能です。Facebookと同じように、「いいね!」のような機能や、コメントをつける機能などがあります。また、投稿を共有する範囲を設定することもできます。さらに、QRコードでお支払いができる「WeChat Pay」はあらゆる支払いに利用でき、中国では欠かせない存在となっています。
1-2.WeChat(微信・ウィーチャット)の中国での利用者数と利用実態
WeChat(微信・ウィーチャット)は、2022年5月時点で、登録ユーザー数12億人超、月間アクティブユーザー11.3億人、デイリーアクティブユーザーは10億人の人気SNSです。
China Internet Watchによる2015年のデータによれば、WeChat(微信・ウィーチャット)がいつ使われているのかを知ることができます。ユーザーが投稿を閲覧する数が最も多い時間帯は、朝の6時。朝起きてすぐに投稿をチェックするのでしょうか。次いで多かったのが19時、そして昼の12時と続きます。いずれも、仕事終わりや昼休みに一斉に投稿を見るといった行動が見えてきます。
一方、投稿されるのが最も多い時間帯は、17時前後。理由としては、各ブランドが夕方から19時くらいまでに、仕事終わりのビジネスパーソンをねらって投稿することが多いからと考えられています。ですので、現地消費者に情報を配信する際にこの時間帯が最も有効と言われています。さらに、企業公式アカウントを取得することが可能であり、多くの企業はプロモーション活動を行っています。
2.WeChat(微信・ウィーチャット)を中国マーケティングに活用するには?
では、WeChat(微信・ウィーチャット)を中国マーケティングに活用するにはどうすればいいのでしょうか。他のSNSとは異なる、WeChat独自の機能、使い方というのも存在しますが、SNSでのマーケティング施策というのは中国においても共通する部分は多いと言えます。
実際にあった事例を参考にアイディアを3つご紹介します。
2-1.新商品やトレンド情報を配信
世界的に名を馳せるファッションブランドたちは、InstagramやSnapchatなどのSNSを活用して施策を行うことが多いですが、WeChat(微信・ウィーチャット)もその矛先の一つになっています。
ある国際的に有名なファッションブランドは、WeChat(微信・ウィーチャット)の公式アカウントを持ち、新商品の告知を行ったり、トレンド情報を発信したりとマーケティングに活用しています。
また、公式アカウントへ問い合わせなどのメッセージを打つと、その回答がWeChat(微信・ウィーチャット)上で得られるといった「カスタマーサービス」も取り入れています。
SNSといえば、公式サイトやECサイトなどに誘導することが主流になるものの、この活用方法は、WeChat(微信・ウィーチャット)の特性を存分に活かしているといえます。
2-2.投票機能を活用して店舗のスタッフ人気投票を実施
次は中国全土で飲食店を展開している、飲食チェーン店の事例です。WeChat(微信・ウィーチャット)には投票機能がありますが、この機能を利用して、WeChat(微信・ウィーチャット)のユーザーに、飲食店で働くスタッフの接客応対やサービスについて、投票してもらうというキャンペーンを実施しました。
店舗では、スタッフの顔写真とQRコードが掲示されており、ユーザーは気に入ったスタッフがいたら、QRを読み込んで投票します。投票したスタッフが優勝すれば、ユーザーは抽選でクーポンがもらえるといった特典を設けました。
ねらいは店舗のアカウントのフォロワーを増やすこと。そして、もちろん、スタッフたちは投票で選ばれようとますます接客に力が入ります。集客と店舗活性化という相乗効果が得られる優れた施策といえます。
【参考】
2-3.WeChat(微信・ウィーチャット)からKOLに拡散を依頼
多くの企業は、WeChat(微信・ウィーチャット)の公式アカウントを開設して、それぞれ独自のキャンペーンを行っています。そのうち、KOL(Key Opinion Leader)と呼ばれる、インフルエンサーを活用することも行われています。
中国人は、特に影響力の高い人物の口コミに惹きつけられる傾向があるため、フォロワー数の多いKOLが商品やサービスについて情報発信すれば、飛びつくようにシェアされ、拡散していきます。
KOLへ商品の告知を依頼し、KOLが持つ多大な影響力を利用させてもらうことで、商品やブランド認知をはかっています。
3.まとめ
WeChat(微信・ウィーチャット)は、今、中国で非常にそのユーザー数を増やしている人気SNSの一つです。WeChatは多言語対応で設定を行えば日本語での利用ももちろん可能です。
公式アカウントを取得して、ぜひマーケティングに活用してみてはいかがでしょうか。