1.WeChat(微信・ウィーチャット)とQQの基本的な違い
WeChat(微信・ウィーチャット)とQQは、どちらもテンセント(騰訊)という企業が提供している無料SNSアプリです。しかし、それぞれ異なる特徴を持っています。その基本的な違いを確認しておきましょう。
1-1.サービス提供開始年月の違い
まずはサービス提供期間についてですが、WeChat(微信・ウィーチャット)は2011年から、QQは1999年からサービスが提供されています。QQは老舗SNSサービスともいわれています。多くの中国人たちはかつてQQを使っていましたが、WeChat(微信・ウィーチャット)がリリースされてからQQのアカウントは残したまま、主にWeChat(微信・ウィーチャット)を日常で使うようになったというのが一般的であるようです。
1-2.月間アクティブユーザー数の違い
テンセントが2019年1月9日に発表した、2018年9月までのデータによると、WeChat(微信・ウィーチャット)の月間アクティブユーザー数は10.82億人であった一方、QQは8.03億人でした。WeChat(微信・ウィーチャット)のほうが2億人も多く利用されていることがわかります。
1-3.機能の多様さの違い
機能面の多様さからいえば、QQは特に多くの機能が付いているといえます。
基本的にWeChat(微信・ウィーチャット)もQQも、メッセージの送受信や音声通話、ビデオ通話などが可能でメッセンジャーツールとしての機能を果たしています。
また両方ともSNSアプリとしても利用できます。WeChat(微信・ウィーチャット)には「モーメンツ」という機能があり、写真やテキスト、気になるWebサイトの共有などが手軽にできます。QQには「QQ空間」というSNS機能があり、Facebookのように自分の部屋のようなものを作り、そこでテキストや写真などを投稿して共有するなどして交流をすることができます。
そのような中QQには、コミュニケーションやQQそのものを利用しながら楽しめる多様な機能が多くあります。例えば「QQスキン」という機能では、自分のQQのインターフェースを好きなように変更するためのスキン設定をしたり、プロフィール、画像アイコン、トークルームの背景画像が変更できたりするなど、自由なアレンジで楽しむことができます。また「QQ秀」というアバターや、オンラインゲーム、音楽なども楽しめます。
それと比べれば、WeChat(微信・ウィーチャット)はそういったゲームコンテンツはまだまだ少ないといわれています。
1-4.利用のされ方の違い
QQは、PCが主流だった時代に多く使われていたSNSでしたがスマートフォン旺盛時代になると、ユーザーはWeChat(微信・ウィーチャット)をスマートフォンで大いに利用するようになりました。その点からいえばWeChat(微信・ウィーチャット)のほうが、スマートフォンで身近に利用されていることにより、日常生活に根付いているSNSといわれます。
1-5.決済機能の違い
WeChat(微信・ウィーチャット)とQQには、どちらにも決済機能があります。
WeChat(微信・ウィーチャット)には「WeChat Pay(微信支付)」が、QQには「QQ Wallet(QQ銭包)」があります。どちらもスマートフォンで決済が可能です。
中国モバイル決済市場においては、WeChat Pay(微信支付)とアリババの「Alipay(支付宝)」が2強といわれており、QQ Walletはこの2つには及びません。
とはいえ、QQ Walletの利用者も3億人以上といわれており、決して少ないものではないため訪日中国人向けにQQ Wallet決済を導入する日本企業も存在しています。