1.テンセント(Tencent)とは
テンセント(Tencent)は、もともとオンラインゲームで始まった企業であり、今でもその売上の約45%がゲームで占めているといわれています。テンセント(Tencent)といえば、我々がよく知っているのは、オンラインゲームよりも、チャットアプリのWeChat(微信・ウィーチャット)のほうではないでしょうか。またチャットツールにはPC向けのテンセントQQもあります。テンセント(Tencent)はこうしたSNSサービスを軸として展開しています。
そもそも、BATの3つの企業はそれぞれ得意分野があります。百度(Baidu)は検索エンジン、アリババ(Alibaba)はEC、テンセント(Tencent)はSNS・チャットアプリといった具合です。これにオンラインゲームも含まれるかもしれません。こうした中で、テンセント(Tencent)といえば、先日、全世界でアカウント数が10億を突破したと発表されたWeChat(微信・ウィーチャット)でしょう。
2017年11月末には、株式時価総額が5,000億ドル(約56兆円)にも上ったことが発表され、中国では最大の企業となりました。そして注目されているのが、2018年1月に米国のフェイスブックを抜いて世界5位にランクインしたことです。ちなみにアリババ(Alibaba)は世界8位でした。
2.急成長の背景
テンセント(Tencent)はなぜここまで急成長を遂げたのでしょうか。これまで、中国ネット大手といえば、アリババ(Alibaba)や百度(Baidu)でした。それは、やはりチャットツールのWeChat(微信・ウィーチャット)の急成長によるところが大きいといわれています。
WeChat(微信・ウィーチャット)には、日本でいうところのLINEに近いツールでチャット機能がメインですが、それ以外にもWeChat Pay(微信支付)という電子決済機能やゲーム、動画配信機能などさまざまな機能が備わっています。
WeChat(微信・ウィーチャット)は、2022年5月の時点でアクティブユーザーが11.3億に達したと発表されています。
日本でもLINEやFacebook、TwitterなどのSNSは大いに利用されていますが、中国におけるWeChat(微信・ウィーチャット)の利用は日本人の感覚とは異なり、電話やメールよりも優先的に利用されているといわれています。
こうした人気と普及が、テンセント(Tencent)急成長の背景となっているようです。
3.テンセント(Tencent)の近年の取り組み
こうしてビッグな世界的な規模の企業にのし上がってきたテンセント(Tencent)は、近年、どのような取り組みをしているのでしょうか。
テンセント(Tencent)が近年、目指すのは「広告プラットフォーム」としての存在を強化することといわれています。効果的な広告を提供するために、ゲームなどを含めた部門全体の10億人を超えるユーザーの分析に励んでいるといわれています。
7部門ある中で、テンセント(Tencent)は部門間の競争により、業績を上げてきたといわれており、今後はこの企業文化の見直しを図っていると報じられています。 テンセント(Tencent)が抱える豊富なユーザーデータは、広告主にとっては魅力的であり、今後はますます世界から注目されてくる企業といえます。
また、テンセント(Tencent)は「スマートシティー」と呼ばれる、街全体が省電力、及びIoTなどによって効率的、かつエネルギー問題を解決する次世代の街づくりのプロジェクトに参加の意欲を示しています。
提供するのは、モバイル決済のほか、AI、ビッグデータのほか、自動運転技術なども想定されているといわれています。
4.まとめ
爆発的な人気を誇るWeChat(微信・ウィーチャット)を運営するテンセント(Tencent)は、すでに世界的な規模の企業へと発展しています。今後、その強みを生かして、広告、社会貢献などさらなる新たな成長と展開を見せていくことでしょう。