1.中国人に売れている日本商品
まずは傾向を探るために、具体的な売れ筋商品を確認しておきましょう。
中国人は近年、次の商品を購入する傾向があるといわれています。ジャンルごとに具体的な商品をみていきましょう。
1-1.食料品
●粉末紅茶飲料
ある紅茶事業を展開する日本企業が販売する、“粉末を溶かして飲むタイプ”のインスタント紅茶飲料が2017年頃ブレイクしました。ドラッグストアやスーパー、量販店などで人気を博しています。
●コンビニエンスストアの牛乳・肉まん
日本のコンビニエンスストアチェーンのローソンが、訪日中国人の購買データをもとに、2017年と2018年の春節シーズンによく購入された商品のランキングを発表しました。上位で目立っていたのは「牛乳」や「肉まん」、「おでんの大根」などでした。
牛乳が中国人に受けていることは日本でもネット上で話題になっており、中国国内で手に入る牛乳と比較すると「安価」「濃い」などが理由ではないかと推測されています。
●定番の市販菓子
日本で定番の有名菓子メーカーによるチョコレートスナック菓子なども人気の食品の一つです。
株式会社ヴァリューズが2018年6月28日~2018年7月9日に実施した「中国人の食品ブランド認知・購入状況調査※」では、認知度ランキングの1位は江崎グリコの「ポッキー」で78.8%。2位はロッテの「コアラのマーチ」で71.2%となりました。特にこの2つの認知度は高いようです。
※中国本土の大手市場調査会社モニター会員の協力のもとで、“越境ECの利用習慣があり、かつ過去1年間に訪日経験のある中国人”に対して実施
1-2.健康・美容系
●目薬・消炎鎮痛剤・冷却シート・頭痛薬など
中国人には、日本のドラッグストアで購入できる商品が人気であることはよく知られています。数年前に、中国のネット上で“日本で買うべき神薬リスト”が公開されたくらいです。
その中でも特に人気なのは目薬です。その他、筋肉痛や肩こりのときに使用する消炎鎮痛剤や、熱が出たときに使用する冷却シート、頭痛薬といったちょっとしたケア用品が人気です。人気の理由としては中国国内で買うよりも安く買えることや、医療制度の違いからなかなか病院にかかれないという中国の生活者の事情などがあるのではないかといわれています。
●ティッシュ関連
高級感のあるボックスティッシュなどのティッシュ関連も人気といわれています。中国の紙と比べて、紙質が良いことが背景にあるようです。
●エイジングケア化粧品
ヴァリューズが実施した「中国人女性の日韓化粧品ブランド認知率」に関する2018年の調査によると、韓国ブランドを差し置いて日本の「資生堂」の認知率が90.1%と、1位になっていました。次に日本企業がランキングに登場するのは5位の「SK II」で72.6%、そして「雪肌精」65.7%、「花王」65.5%、「コーセー」61.7%と続きます。
これらの認知度の高い日本ブランドの化粧品のうち、加齢対策となるエイジングケア化粧品が、世代問わず売れているようです。