1. 訪日中国人に欠かせないツールWeChat(微信・ウィーチャット)
いま、中国ではSNSがさかんに活用されています。総務省の2016年のデータ(※)によると、中国のSNS利用率で最も高かったのはWeChat(微信・ウィーチャット)で88.2%、次いでWeibo(微博・ウェイボー)で54.9%となっています。WeChat(微信・ウィーチャット)は非常に高い利用率であることがわかります。
WeChat(微信・ウィーチャット)は、日常的に家族や友人などと日本のLINEのようにチャットツールとして活用されているほか、友達のモーメンツで画像などを確認したり、ファンの企業の公式ページなどを見たりすることにも利用されています。
こうした中、訪日前に「何を買うか」「どこで観光するか」などの情報収集ツールとしての機能も果たしています。
※出典:総務省「平成28年版 情報通信白書のポイント 第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI~ネットワークとデータが創造する新たな価値~」
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc132220.html
2. 訪日中国人のWeChat(微信・ウィーチャット)活用法
中国市場に乗り出す日本企業にとって、訪日中国人が「何を買うか」をWeChat(微信・ウィーチャット)で確認しているというのは非常に惹かれるものがあるのではないでしょうか。
そこで、訪日中国人たちがWeChat(微信・ウィーチャット)を具体的にどのように活用しているのかを確認してみましょう。
2-1. 訪日前
主に買い物リストの作成や旅行観光計画に活用されます。
フォローしている日本企業から発信されている商品やサービスの情報や、クーポンやキャンペーンなどのお買い得情報、売れ筋商品の情報などをチェックします。また日本商品に詳しいインフルエンサーの発信している情報も収集します。
訪日中国人たちは訪日して家族や友人に日本の商品を代わりに購入するということもよく行っています。そのため、家族や友人と購入の相談をすることも多くあります。
2-2. 訪日中
日本滞在中は、モーメンツに日本での観光写真などを投稿し、家族や友人に共有するほか、日本で買ってくるよう頼まれた商品の確認や追加で購入する商品のやりとりなども行われているようです。従来のチャット機能でも「これが安くなってるから多めに買うね」など、中国現地とのやりとりがされていると予想できます。
また、日本の実店舗に出かける前に、「何か使えるクーポンはないだろうか?」と再リサーチすることも考えられます。
2-3. 訪日後
帰国後も、訪日にまつわるWeChat(微信・ウィーチャット)の活用はされています。モーメンツで旅の思い出を報告したり、日本で入手した掘り出し物などを共有したりしています。また、気に入った商品があれば、越境ECサイトを利用して追加購入するケースもあります。
3. 訪日中国人へのアプローチ方法
訪日中国人たちのWeChat(微信・ウィーチャット)利用シーンに応じて、日本企業は各タイミングにおける訪日中国人たち想定し、彼らが最も求める情報を適切に提供することで、実店舗とECにおける購買や集客効果を高めることができるでしょう。
例えば、WeChat(微信・ウィーチャット)の公式アカウントで売れ筋商品やクーポンを配布するのは基本的な施策といえます。また、インフルエンサーであるKOLの人たちの協力を仰ぎ、情報拡散を促す方法もあります。これにより、商品やサービスの認知やブランド認知を促すことができるのはもちろん、企業公式アカウントページのフォロワーを増やすことにもつながります。
またWeChat Pay(微信支付)を店舗の決済手段として導入し、購買を促すのも一つの方法です。
4. まとめ
WeChat(微信・ウィーチャット)は、訪日中国人たちに活発に活用されています。日本企業はその利用の流れをよく知った上で、最適な情報を最適なタイミングで提供することにより、集客と売上増大につなげることができると考えられます。さまざまなプロモーションを実施して効果的に施策を行いましょう。