1. WeChat(微信・ウィーチャット)とLINEの共通点
SNSを使ったプロモーションは、今日本でも数多くの企業が実施しています。このような中でも、LINEをプロモーションに活用している企業は多く存在します。
では、このWeChat(微信・ウィーチャット)とLINEが似ているといわれるのにはどのような理由があるのでしょうか。その主な共通点をみていきましょう。
WeChat(微信・ウィーチャット)
2011年1月にTencentQQが中国でサービス開始。
LINE
2011年6月にLINE株式会社が日本でサービス開始。
1-1. メッセージングアプリである
WeChat(微信・ウィーチャット)とLINEがよく似ているといわれる第一の理由は、共にメッセージングアプリであるという点です。LINEを日頃から活用している人は分かると思いますが、文字でチャットしたり、スタンプで表情・感情を伝えたり、グループチャットや無料電話をしたりとコミュニケーションをリアルかつ端的に行えるという特長があります。これと同様の機能が、WeChat(微信・ウィーチャット)にも備わっています。
メールやタイムライン投稿などのやりとりと比べて、リアルタイム性が高く、簡易なおしゃべりをしているような感覚で、気軽に利用できる形態です。
1-2. 多言語対応している
どちらも多言語対応しており、グローバル展開していることも共通点としてあります。
WeChat(微信・ウィーチャット)は、中国語のほか、英語、日本語、スペイン語、韓国語、イタリア語などの20言語弱に対応しています。LINEも、日本語、英語、中国語、アラビア語、イタリア語などの全17言語に対応しています。これも、どちらもグローバル展開しているからこそといえます。
1-3. 企業がPRに活用できる
WeChat(微信・ウィーチャット)もLINEも、企業が企業公式法人アカウントを取得し、PR活動に活用することができます。
WeChat(微信・ウィーチャット)でのビジネスアカウントでは、ユーザーにメッセージを送信したり、企業が自ら独自のメニューを作成・設置し、自社コンテンツに効果的に誘導したりすることが可能です。また、自社アプリとの連結もできるアカウントも用意されています。
LINEでは、「LINE@」と「LINE公式アカウント」という2種類のプランがあり、LINE@は小規模・中規模企業向け、LINE公式アカウントは大企業向けと考えられます。こちらもWeChat(微信・ウィーチャット)同様、ユーザーへメッセージを送ることができるほか、タイムライン投稿やクーポン配信など多彩なメニューが揃っています。
2. WeChat(微信・ウィーチャット)とLINEの違い
では、WeChat(微信・ウィーチャット)とLINEはどのような点で異なるのでしょうか。今度は違いについて焦点を当ててみます。
2-1. 利用ユーザー数
登録ユーザー数で比べると、WeChat(微信・ウィーチャット)は全世界で約11億人を超えています(2015年2月時点)。一方、LINEは全世界で4億人に達しています(2014年4月時点)。WeChat(微信・ウィーチャット)はLINEの約3倍のユーザーが世界的に登録されていることが分かります。
また、月間アクティブユーザー数、つまり実際に使っている人の数で比べると、WeChat(微信・ウィーチャット)は全世界で約6.5億人(2015年9月末時点)、LINEは全世界で2億人ほど(2016年12月末時点)となっています。WeChat(微信・ウィーチャット)はLINEの約3倍強のユーザーが日々利用していることが分かります。
2-2. WeChat(微信・ウィーチャット)はコミュニケーション機能が豊富
WeChat(微信・ウィーチャット)もLINEも、多彩な機能でコミュニケーションを取ることができる点は共通していますが、WeChat(微信・ウィーチャット)のほうは、中国の人たちの国民性が反映されており、より親密なコミュニケーションを取ることのできる機能が豊富にあります。
例えば、相手にお年玉を送ることのできる「紅包」という機能や、文字や画像、動画を共有できる「モーメンツ」という機能、LINEよりも多機能で企業もプロモーションで活用できる「シェイク」機能などがあります。
3. 日本企業はWeChat(微信・ウィーチャット)をどう活用する?
日本企業が中国へのマーケティングを考える場合、WeChat(微信・ウィーチャット)活用は欠かせなくなっています。このような中、どちらかといえばLINEに親しむ日本企業たちは、WeChat(微信・ウィーチャット)をどのようにとらえて活用していけばいいでしょうか。
一番は、LINE同様、ファンとのコミュニケーションに大いに使えるということ。これについてはLINEで経験したノウハウを駆使してプロモーションを実施するのがいいでしょう。
また、WeChat(微信・ウィーチャット)とLINEの違いを、コミュニケーションの傾向の違いから理解し、活用していくことも重要です。
例えば、WeChat(微信・ウィーチャット)のシェイク機能を用いて、日本に訪れている中国人観光客に対して、積極的に商品情報やクーポンを送るといった密接なコミュニケーションを取ることが有効です。
その他、WeChat(微信・ウィーチャット)内での広告配信や「WeChat Payment」での決済へと誘導するなど、多彩な使い方が可能です。
詳しくは、「WeChat(微信・ウィーチャット)のビジネス活用方法4つ」で解説していますので、こちらもぜひご覧ください。
【参考】
4. まとめ
WeChat(微信・ウィーチャット)とLINEには共通点が多いものの、規模感や機能面の違いもあります。すでにLINEで国内プロモーションを実施している企業が、中国マーケティングに乗り出す場合、WeChat(微信・ウィーチャット)はLINEでの経験を活かすことができるでしょう。それに加えて、その多彩な機能や国民性を踏まえたマーケティング活動を実施してみてはいかがでしょうか。