中国で膨大な利用者数を誇るSNSの中でも、LINEのようにチャットでユーザーとコミュニケーションを取ることができるWeChat(微信・ウィーチャット)は、月間アクティブユーザーは11.3億人(2022年5月時点)を抱えています。すでに中国マーケティングを行う日本企業にも、大いに活用されていますが、成果を出すには、SNSとしての特性をしっかりととらえることが先決です。
そこで今回は、WeChat(微信・ウィーチャット)のプロモーションで効果を上げる方法をご紹介します。
1.WeChat(微信・ウィーチャット)ユーザーの利用用途
WeChat(微信・ウィーチャット)は、LINEに似ているといわれている通り、チャット機能の要素が強く、ユーザーの利用用途も「友人とのコミュニケーション」が最も多くなっています。WeChat(微信・ウィーチャット)は、基本的にクローズドなコミュニケーションツールです。よって、ユーザーの生活に密着した役立つ情報を入手することに長けているといえます。
一方で、企業アカウントをフォローして、自分の生活に役立つ情報収集をする活用用途もあります。得た有益な情報は、チャット上だけでなく、「モーメンツ」というタイムライン投稿機能を用いてシェアし合うこともできるのです。
2.WeChat(微信・ウィーチャット)を活用しプロモーションで効果を上げる方法
企業がこのWeChat(微信・ウィーチャット)を活用してプロモーションの効果を上げ、ねらった成果を出していくためにはどうすればいいでしょうか。
まずは、「クローズドなコミュニケーション」に特化しているWeChat(微信・ウィーチャット)の特徴をよく理解することがポイントです。ユーザーは親しい人や、信頼のおける人とコミュニケーションを取ることが目的で利用しているため、大事な情報がやりとりされます。そうした性質を踏まえた上で、より価値のある情報としてシェアしてもらうことで、企業はマーケティング効果を得ることができます。
【参考】
3. WeChat(微信・ウィーチャット)のプロモーション活用方法
では、そんな特徴のあるWeChat(微信・ウィーチャット)をプロモーションに活用するためには、具体的にどのような方法があるのでしょうか。その活用方法を6つご紹介します。
3-1.ファンをグループ分けして情報配信
まずWeChat(微信・ウィーチャット)で企業の公式アカウントを作り、ユーザーにアカウントをフォローしてもらい、ファンを集めます。
そして、集めたファンを、属性ごとにグループ分けして、その属性に合った情報をそれぞれに配信していきます。ターゲットが絞り込まれることで、より効果の見込めるプロモーションを実施することが可能です。
3-2.プッシュ通知を活用する
WeChat(微信・ウィーチャット)では、ユーザーに対してプッシュ通知を行うことができます。プッシュ通知によって、ユーザーとより親密なコミュニケーションが図れます。
例えば、画像などを用いたサイトページのようなリッチコンテンツを作り、ファンに対してプッシュ通知で告知することで興味関心を引き、ファンを囲い込んでいくといった施策も行えます。
3-3.モーメンツ広告を活用する
テキストや写真、動画などを投稿できるタイムライン機能の「モーメンツ」には、企業が写真や動画を用いた広告を配信することができます。ちょうどFacebookのタイムラインに表示される企業広告に似ています。ユーザーが情報共有する間に入って広告を打つことができるので、より親密に情報配信でき、効果的にプロモーションを行うことができます。WEBサイトへ誘導したり、アプリのダウンロードを促したり、クーポンを配布したりと、テキストリンクの遷移先を選ぶことも可能です。
3-4.ミニゲーム・クーポン配布でキャンペーン集客
WeChat(微信・ウィーチャット)は、アカウントの種類によっては、クーポンやミニゲームなどを配信することができます。
実店舗で使えるクーポン配布は、そのお得さからフォロワー数を増やせる可能性が高く、同時にオフラインへの誘導も効果的に行うことができる優れたプロモーションの一つです。またキャンペーンの際、抽選ゲームで遊べるようにすれば、それだけでキャンペーンが魅力的になり、参加ユーザーを増やすことができるでしょう。
3-5.メルマガの代替えとして購読を促す
通常、企業が送るニュースレターやメルマガはメールボックスに届き、購読されますが、なかなか開封されないということも多いものです。中国では、自分のメールボックスに届くニュースレターを読むことが少なくなり、WeChat(微信・ウィーチャット)に流れてくる情報を読むほうが定着してきているといいます。
そのため、ある海外の旅行会社は、最新の旅行情報を、WeChat(微信・ウィーチャット)上で配信してユーザーに届けることで、メルマガ配信の代わりにしています。文字だけでなく、写真や動画も掲載できるため、自由度の高いコンテンツが配信できることから、ユーザーの興味関心を高められるメリットがあります。
3-6.魅力あるミニプログラムを提供してユーザーを楽しませる
WeChat(微信・ウィーチャット)では、組み込み型のミニアプリ「ミニプログラム」を作ることができます。ユーザーはダウンロード、インストールする必要がなく、WeChat(微信・ウィーチャット)上で手軽に利用できるメリットがあります。
先ほどミニゲームを配信する方法を紹介しましたが、その他にも、EC機能を持つミニプログラムを作り、WeChat(微信・ウィーチャット)上でものを販売する方法もあります。また、ミニプログラムではWebサイトやブログなども作ることができるので、公式アカウントとは別のコンテンツを見せて情報発信していくことも可能です。
4.まとめ
WeChat(微信・ウィーチャット)は、そのクローズドな特性を活かし、ユーザーの生活に密着した役立つ情報を配信することで、効果的なプロモーションを実施することができます。
ユーザーを楽しませるコンテンツを充実させる、思わず参加したくなるキャンペーンを開催するなど、ファンを集めて見込客に育てることにも長けています。ぜひプロモーションに活用してみてください。