1.中国SNSの利用者数
中国SNSの一番の特徴といえば、中国政府によるネット検閲システム「金楯」の存在です。「グレートファイアウォール」と呼ばれるもので、政府にとって都合の悪い情報を国民が閲覧できないように規制がされています。中国政府に対して批判的なサイトなどはもちろんのこと、FacebookやTwitterなどのSNS、YouTubeなどの動画サイト、アダルトサイトなどはすべて中国国内からは閲覧不可能になっています。
このことから、中国SNSは、中国政府の検閲をクリアしたもとで展開されるSNSに限り、使用ができます。
こうした中、中国ではどのくらいSNSの利用があるのでしょうか。
中国政府が管轄する中国互聯網絡信息中心(CNNIC)が発行する調査レポート「中国インターネット発展状況統計(中国互聯網絡発展状況統計報告)」の2018年6月30日までの結果によると、SNSの利用率は94.3%となっており、2017年12月の93.3%と比べて増加しています。また、検索エンジンの利用率は81.9%、ニュースの利用率は82.7%となっており、それと比べてSNSの利用率が上回る割合となっていることが分かります。
2.中国で利用者数の多いSNSとは?
では中国SNSの中でも、特に利用者数が多いといわれている代表的な3つのSNSの利用者数を見ていきましょう。
2-1.WeChat(微信・ウィーチャット)
中国SNSの中でも特に利用者数が多いのが、このWeChat(微信・ウィーチャット)です。2018年時点で発表された情報によると、月間アクティブユーザー数は10.4億人とされています。WeChat(微信・ウィーチャット)は、テンセントによるSNSで、他にQQというSNSを手掛けています。
WeChat(微信・ウィーチャット)は2011年1月にリリースしたもので、中国版LINEとも称されるメッセンジャー機能を中心として、画像や動画を投稿してシェアできるSNS機能も充実しています。友達や家族との情報交換や、企業などからの情報収集には欠かせないツールとなっています。
2-2.Weibo(微博・ウェイボー)
Weibo(微博・ウェイボー)は、ユーザー数 7億人、アクティブユーザー数 一日1.39億人、投稿数一日1.3億(2019年1月時点公式サイト情報)というSNSで、新浪公司が運営するものです。「微」はマイクロ、「博」はブログという意味で、短い文章を写真などと共に投稿できる、いわゆる中国版TwitterといわれているSNSです。一般ユーザーはもちろん、有名人や有名ブランドも公式ページを持っており、そこで情報発信やユーザーとの交流を行っています。
2-3.QQ
QQは、テンセントによるSNSで、2018年時点での発表によると月間アクティブユーザーは8.05億人とされています。
QQはもともとPC、モバイルでメッセンジャーとしてチャットや音声通話のできるSNSでしたが、徐々に機能がどんどん追加されていき、ブログ、オンラインショップ、フォトアルバム、オンラインゲームといったさまざまなことができるように拡大していきました。FacebookやTwitterのように、人との交流を行うことができます。
3.中国SNSマーケティングのねらい目は?
中国でSNSマーケティングを実施していくに当たり、どのSNSを活用するのがいいのでしょうか。
中国SNSマーケティングを実施するなら、やはりWeChat(微信・ウィーチャット)といえます。その理由としては今、中国企業はもちろん、日本からの中国越境ECに取り組む企業もほとんどの企業がWeChat(微信・ウィーチャット)を活用しているという事実があるためです。月間アクティブユーザー数が10億人を突破したという事実、そして今の中国のSNSといえば、誰もがWeChat(微信・ウィーチャット)と言うであろうと言っても過言ではありません。
日本に訪れる中国人ユーザーは、訪日前、訪日後にもWeChat(微信・ウィーチャット)を活用しているといわれています。さらにユーザーの85%以上が35歳以下と若年層が多く、ビジネスの現場でもチャットツールとして利用されることが多くなっていることも見逃せません。日常的に家族や友人と日本のLINEのようにチャットツールとして活用されているほか、WeChat Pay(微信支付・ウィーチャットペイ)やQRコードを利用した電子マネー決済機能も活用されており、日常的に生活の一部、インフラとなっているともいわれています。
4.まとめ
数ある中国SNSのなかでも、WeChat(微信・ウィーチャット)、Weibo(微博・ウェイボー)、QQのユーザー数が多くなっています。中国SNSをマーケティングに活用する際には、中国人ユーザーの生活に欠かせない存在と言っても過言ではない、WeChat(微信・ウィーチャット)を中心に取り組んでいくのをおすすめします。