Weibo(微博・ウェイボー)は、中国で多大な人気を誇るSNSです。メッセンジャー機能が主なWeChat(微信・ウィーチャット)とは少し異なり、「ミニブログ」の形態でユーザーが思い思いの情報を発信するものです。中国の人たちは、口コミ情報はこのWeibo(微博・ウェイボー)から得ることが多いといわれています。つまり、企業側からすれば、情報拡散の可能性に満ちた魅力的なプラットフォームといえます。
今回は、そのWeibo(微博・ウェイボー)のビジネス活用方法を具体的にご紹介します。
1. Weibo(微博・ウェイボー)のビジネス利用動向
Weibo(微博・ウェイボー)をビジネスで活用する動きは、日本でも既に始まっています。例えば、自動車メーカーのTOYOTAやNISSAN、アパレル・雑貨ブランドの無印良品やUNIQLO、電機メーカーのSONYやPanasonic、コンビニエンスストアのセブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、航空会社のJALやANAなどの企業はWeibo(微博・ウェイボー)をマーケティングツールとして活用しています。
Weibo(微博・ウェイボー)のユーザーは、ユーザー間のクローズドなコミュニケーションだけでなく、企業アカウントからの情報収集や有名人アカウントのフォローも積極的に行っています。
この点、主に友達同士のメッセンジャーの機能を持つWeChat(微信・ウィーチャット)と比べて、企業が公式情報を発信しやすい場といえます。
Weibo(微博・ウェイボー)をビジネス活用するためには、まず企業の公式アカウントを取得し、そのページ上で新商品や値引き、キャンペーン情報などの、ユーザーに対して有益な情報を展開していくのが基本となります。
2. Weibo(微博・ウェイボー)ビジネス活用例
Weibo(微博・ウェイボー)をビジネスに活用する場合、具体的にはどのように実施すればいいのでしょうか。その方法を具体的に知るために、いくつかの事例をみていきましょう。
2-1.公式アカウントで日々、情報を投稿する
Weibo(微博・ウェイボー)の公式アカウントでは、商品情報やキャンペーンの告知、スタッフのつぶやきなど、FacebookやTwitterのようにコンスタントに情報を投稿していくのが基本です。
投稿に対して、ユーザーからのコメントを受け付けることができるので、コメントを通してユーザーと直接コミュニケーションを取っている企業も多くあります。これにより、ファンづくりを行うことができます。
2-2.クーポンを配布して実店舗に誘導する
公式アカウントを取得し、Weibo(微博・ウェイボー)を活用している日本企業の中には、抽選でクーポンやプレゼントキャンペーンの企画を行っているところも多いです。
特にクーポンの配布は実店舗やECサイトへとスムーズに誘導することができるため、集客のためには重要な施策の一つとなります。この様にWeibo(微博・ウェイボー)上だけではなく、ECサイトや実店舗と連携させたさまざまなキャンペーンも開催されています。
2-3.KOLを活用してブランディングする
中国では、SNSなどで影響力の高い人物、いわゆるインフルエンサーのことを「KOL(Key Opinion Leader)」と呼びます。彼らはたいてい、絶大な拡散力を持っています。企業が商品やサービスをPRしたり、多数の口コミ投稿を促したりするためには、ただ企業側が公式情報を発信しているだけでは足りません。このことから、企業が絶大な影響力のあるKOLを活用して、ブランディングを行っているケースもあります。
日本では知名度の高いブランドも、中国ではまだまだ低いという場合、このKOLを通じて情報を発信してもらう口コミ型のマーケティング施策は非常に有効といえます。
KOLにサンプル商品を配布し、自身のWeibo(微博・ウェイボー)アカウントで、そのサンプル商品に対する口コミを情報発信してもらいます。KOLが発信したことで、企業側からの情報とは異なる側面から商品やサービスを知ったユーザーは、その商品やブランドに対する興味関心が大いに増すことでしょう。
2-4.Weibo(微博・ウェイボー)内で広告を配信する
Weibo(微博・ウェイボー)では、ユーザーのターゲットを絞り、Weibo(微博・ウェイボー)内で広告を配信することが可能です。Weibo(微博・ウェイボー)のタイムライン上に配信される「Weibo Feed広告」を活用すれば、ユーザーを効果的に自社サイトやキャンペーンサイトへと誘導することができます。一般的な広告と比べて、Weibo(微博・ウェイボー)内の広告は、ターゲットが絞り込まれるため、興味関心の高いユーザーを獲得できるのが利点です。
3.まとめ
Weibo(微博・ウェイボー)は、ユーザーが企業から発信される情報を収集したり、口コミ情報を確認したりできるオープンなSNSです。日本企業も公式アカウントを開設し始め、情報発信はもちろん、さまざまなマーケティング施策を実施しています。
自社アカウントのフォロワーや、絞られたターゲットに対して情報発信していくことができるため、効率的なマーケティングが行えます。そして、ECサイトや公式サイト、実店舗への誘導も効果的に行えるため、集客・売り上げ増進につなげることができます。
今回ご紹介したWeibo(微博・ウェイボー)活用の具体例は、一部に過ぎません。アイデア次第では、Weibo(微博・ウェイボー)はもっと有意義に活用することができます。