1. 日本の地方自治体も活用するWeibo(微博・ウェイボー)
Weibo(微博・ウェイボー)をマーケティングに活用するというと、メーカーなどの一般企業がイメージされますが、日本の地方自治体も活用しています。
Weibo(微博・ウェイボー)の公式アカウントを持っている日本の地方自治体は数十にも上るといわれています。例えば、北は北海道の札幌から、青森、福島、宮城の東北、そして長野、石川、愛知、静岡、山梨、神奈川、岐阜ときて、関西の名古屋、大阪、九州の長崎、熊本、大分、鹿児島など、数年前にブームとなり、次々とアカウントが開設されました。現在は状況が変わっているところもあるようですが、運営を続けている地方自治体もあります。
2. 地方自治体のWeibo(微博・ウェイボー)活用・運用方法
では、いくつか地方自治体の具体的なWeibo(微博・ウェイボー)の活用・運用方法をみてみましょう。
2-1.山梨県
http://www.weibo.com/yamanashipref
山梨県のWeibo(微博・ウェイボー)公式アカウント「富士之国山梨」のページを開くと、まず飛び込んでくるのが、多数の動画や画像です。日本といえば富士山。富士山をはじめ、観光地としての魅力を伝えたり、土産や名産品などを紹介したりしています。目的は訪日中国人観光客の集客にあります。名産品・名産物などを活かしたプレゼントキャンペーンなども盛んに行っています。
2-2.岐阜県
http://www.weibo.com/gifu
岐阜県は、「日本岐阜县旅游官方网」の名で公式アカウントを運営しています。中国人に役立つ情報を発信し続け、Weibo(微博・ウェイボー)の運営会社である新浪公司より、2011年に「協力パートナー賞」を受賞した実績もあります。白川郷や飛騨牛など日本ではおなじみのものから、岐阜県ならではの画像や動画が投稿され、訪日中国人の興味を引いています。飛騨牛についてはただ肉の画像だけでなく、焼いているシーンを配信するなど、初めて見る中国人視聴者へ配慮がされています。
2-3.青森県
http://www.weibo.com/u/1929936967
青森県の公式アカウント「青森县观光局」でも、ねぶた祭りの動画など観光誘致の投稿が目立ちます。観光庁の統計データによると、東北地方の中で最も中国人の宿泊数が多いのは宮城県でしたが、第二位は青森県となっています(平成27年1月~11月)。青森県はまだまだ海外での認知度は低いことから、認知度アップのための取り組みに力を入れています。
2017年5月7日には、中国・天津と青森空港を結ぶ国際定期便「奥凱航空」が就航しました。今後もますます誘致に力を入れていくと考えられます。
青森県の工夫は、まじめな観光誘致だけでなく、日本の関西圏へ向けた青森弁ラップの動画を投稿で紹介するなどして、どんなものでもPRに活用しているところにあるといえます。
2-4.福島県
http://www.weibo.com/fukushimaken
福島県の公式アカウント「日本福岛县政府官方网」は、東日本大震災の少し前に開設されたこともあり、震災・原発の事故の後、福島県上海事務所によって震災後の状況を伝えるという用途で使用されました。正確な情報を求めるユーザーからの支持を受け、当時のフォロワーは3万人を超えたそうです。現在では、復興していく様子を伝えていくメディアに変化しています。観光地としての魅力・名産物の情報発信などにより、福島に訪れてみたいという声も増えているそうです。
3. WeChat(微信・ウィーチャット)との併用も
中には、Weibo(微博・ウェイボー)だけでなく、中国版LINEといわれるWeChat(微信・ウィーチャット)と併用している地方自治体もあります。
WeChat(微信・ウィーチャット)は訪日中国人が日本観光の最中にも頻繁に使用するといわれているツールです。それを活用することで、有益な情報配信ができると考えられます。
例えば、大阪府や新潟県、茨城県、長野県などがその例です。
基本的に観光地や旬の画像や動画を投稿することはWeibo(微博・ウェイボー)では共通していますが、WeChat(微信・ウィーチャット)では、モーメンツという写真投稿できる機能とかけあわせ、旅行写真を投稿させるキャンペーンを実施するなどしている地方自治体もあるようです。
4. まとめ
日本の多くの地方自治体は、数年前からWeibo(微博・ウェイボー)を活用して訪日中国人誘致を行っています。ポイントになるのは、ただ観光名所や名産物を紹介するだけでなく、動画でリアルに見せる、興味を持ってもらえるキャンペーンを開催するなどして、より中国人に寄り添う施策を講じるにありそうです。