1.中国でSNS規制が強化される
中国の国家インターネット情報弁公室は、短文や写真、動画などを投稿するSNSについて、それを運営する企業に対する管理規定を2018年2月2日付けで発表しました。そしてその内容が、2018年3月20日に「ミニブログ(マイクロブログ)情報サービス管理規定」として施行されました。
ミニブログとは、使用者のフォロワーを集める仕組みによって、主に短い文章、写真、動画などの形式で情報の伝達と獲得を実現する社交ネットワークサービスだと定義されています。
このミニブログ、つまりSNSの運営会社には、今や中国最大のSNSといわれるWeChat(微信・ウィーチャット)を運営するテンセント、中国版Twitter、Facebookと称されるWeibo(微博・ウェイボー)を運営する新浪公司も含まれます。
本制度は、こうしたプラットフォーム運営者の責任などが明確化されており、中国の法律に反する情報がSNSを通じて拡散されないよう徹底するものになっています。
2.強化された規制の内容
今回、SNSで強化された規制の内容は、主に次のものがあります。
・サービス提供者はサービス提供についての許認可の取得が必要
・情報の安全管理主体責任の徹底(内容公表審査など)
・サービス規則の制定
・実名登録などユーザーの身分情報の確認
(バックグラウンドの登録は実名、フォアグラウンド(表向き)の登録名は自由)
・ユーザーの分類管理制度の制定と、国家や各地区のインターネット情報弁公室への届出
・虚偽情報の排除
・クレーム対応の仕組みの整備
・ログ情報の保存(少なくともユーザーの6ヶ月分のログの保存)
主要なものは、ユーザーの実名や身分証番号、携帯電話番号の確認や6ヶ月は投稿内容を保存することの義務付け、またデマや国家の安全を脅かす情報の削除の仕組みの構築などがあります。
3.規制が強化された背景は?
すでに中国では2017年6月には「インターネット安全法」が施工されており、サイバー空間の統制を強化しています。
こうしたネット上の情報規制が進む中で、特にSNS上の情報はネット世論を左右すると考えられることから、SNSの情報統制を重視して進めているようです。
また2018年2月2日付の日本経済新聞の記事によると、2017年に摘発されたネット上の情報は前年比で3割増えたとされています。こうした背景から、新規定についてはサービス提供側の責任を明確にして、低俗な情報、デマの情報などの規制や実名登録の徹底など、ネット世論の統制をさらに強めました。
目指すところは、SNSの健全な発展とともに、国民や法人や組織の権益を守り、国家の安全と社会公益を保護するためとされています。
4.まとめ
日本でも多くの企業が利用しているWeChat(微信・ウィーチャット)やWeibo(微博・ウェイボー)について、規制が強化されたことは、意識しておくべきことです。