1.訪日中国人は何のSNSを利用している?
訪日中国人数は、日本政府観光局(JNTO)の統計で2017年はおよそ735万人で、伸び率は15.4%となりました。2015年の伸び率107.3%、2016年の27.6%と比べれば落ちてきていますが、まだ増加傾向にあることは変わりありません。
そんな訪日中国人たちは、普段、どのようなSNSを使用しているのでしょうか。
調査会社猟豹全球智庫が実施した調査によると、2017年の中国のSNSアクティブ利用率ランキングは次の結果となりました。
第1位 WeChat(微信・ウィーチャット) 82%
第2位 QQ 36.4%
第3位 Weibo(微博・ウェイボー) 5.9%
第4位 QQ空间 1.1%
第5位 百度贴吧 0.6%
2.各SNSの規模と特徴
これらの中国人が活用しているSNSは、アクティブ率が高いことから、日本に来たときも利用されていると考えられます。そこで、上位のSNSについてより詳しく見ていきましょう。
2-1.WeChat(微信・ウィーチャット)
テンセントによるWeChat(微信・ウィーチャット)は、2018年3月に月間アクティブユーザー数が初の10億人超えを達成したと報じられています。また、2017年9月には、テンセントよりユーザーアカウントの年間増加率は15.8%となっており、1日当たりの平均ユーザー数は9億200万人と報告されています。その人気の要因としては、モバイル決済のWeChat Pay(微信支付・ウィーチャットペイ)の普及の他、ミニプログラムというアプリ内で動作する機能を追加したことで、アプリ内でECまで完結できるようになったことなどが挙げられています。
2-2.QQ
QQもテンセントによるSNSです。こちらはインスタントメッセンジャーです。QQの月間アクティブユーザー数は2018年6月末時点で、8億人以上にも上るといわれています。とはいえ、わずかながらも利用者数は減少しています。スマホ向けのWeChat(微信・ウィーチャット)の台頭で、それに取って代わられた図式になっています。
2-3.Weibo(微博・ウェイボー)
Weibo(微博・ウェイボー)は、ミニブログという意味の新浪微博(Sina Weibo)によるSNSで、公式サイトによると、ユーザー数は7億人、アクティブユーザー数は一日当たり1.39億人とされています。モバイルログインは90%で、ほぼスマホ利用と考えられます。
2017年時点でユーザー数は最大になり、普及率も上昇しているといわれているため、決して軽視できないSNSといえます。とはいえ、シェア率を見れば、WeChat(微信・ウィーチャット)よりは低くなっています。
3.中国SNSのインバウンドマーケティング活用状況
日本における訪日中国人向けのインバウンドマーケティングでは、中国において広がっているSNSを見逃すことはできません。
すでに多くの企業がSNSによるインバウンドマーケティングを実施しています。
SNSは、結束の強い仲間同士が、情報交換、共有をしあう貴重な場所。それにより、ただ商品の情報だけでなく、日本の文化やブランドが浸透していくことを考えればマーケティング利用の価値も高いといえます。
企業は実店舗やECサイトに誘導するのはもちろん、情報サイトと連携させることで、マーケティングを実施している企業もあります。
また、WeChatにおいては、クーポンの配布や、WeChat payを店舗に導入するなどの施策が行われており、Weiboではインフルエンサーに投稿してもらい、店舗誘引を促すなどの手法がとられています。
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4.まとめ
現在、中国SNSはインバウンドマーケティングに欠かせないツールといえます。シェア率、ユーザー数、機能などを踏まえて最適なSNSを選定し、インバウンドマーケティングに活かしてはいかがでしょうか。