1.日本企業のWeibo(微博・ウェイボー)におけるコメント対応法
Weibo(微博・ウェイボー)上の企業公式ページでは、投稿に対してユーザーがコメントを付けてくれることが多くあります。実際、日本企業のアカウント上では、中国人ユーザーやフォロワーと積極的なコミュニケーションがなされています。
ある日本の有名自動車メーカーは、ユーザーのコメントに対してよく返信をしています。また、あるアパレル業界の企業では、問い合わせコメントに対してのみ返信をしているようです。一方、コメントに対しては一切対応しないという姿勢を貫く企業もあります。大手でフォロワー数が多くなるほど、コメント返しは少なくなる傾向があるようです。
2. Weibo(微博・ウェイボー)でコメント返しは必要か
一般に、Weibo(微博・ウェイボー)の公式アカウント運用において基準となるのは、「フォロワー数」や「投稿ポスト数」といわれます。しかし多くの日本企業において、コメント返しについてはそれほど重要視されていないようです。
よって大手企業が実施しているように、運用において必ずしもコメント返しが必要かといえばそうではないといえます。
そこで、このコメント返しの必要性を考えるヒントとして、日本におけるSNS運用についての状況をみていきましょう。
2-1.SNSへのコメント返信に対するユーザーの好感度
宣伝会議が2012年4月に実施した「企業の公式Twitter、Facebookページの印象に関する調査」では、Facebookページにおけるウォール投稿に対して、ユーザーからのコメントがつけられた際、企業の対応の仕方に対してユーザーがどう感じているのかを知ることができます。
コメント内容がポジティブなものに対して企業が返信をしたり、「いいね!」ボタンを押したりすることに対して、ユーザーの79.0%が好意的という結果でした。
一方、コメント内容が苦情だった場合に企業から返信がない点については、ユーザーの65.3%が悪印象を持っていることが分かりました。
このことから企業が内容問わず、コメント返信を行うこと自体はユーザーに好印象を与えられることが分かります。しかし一方で、コメントの内容によっては返信しないという姿勢は、ネガティブな印象を与えることもあるようでした。
中国SNSにおいては、中国語による返信が必要になるという違いもありますが、コメント返信によってユーザーがどのように受け止めるのかという点については参考になります。
2-2.SNSのコメント返信ポイント
日本においては、一般的に進められているSNS運用方法のうち、コメント返信については、次のようなポイントがあると考えられています。
●コメント返信のルール決め
フォロワー数が膨大でコメントも多数付けられる場合、すべてのコメントに返信するのは、時間的にも人員的にもむずかしく限りがあります。よってどのようなケースに対して、コメントを返信するかを明確にルール決めすることが効率的な運用のポイントになるようです。例えば「問い合わせにのみ返信する」「苦情へはどう対応するか」など、それぞれのコメントに対して対応を定義付けするというものです。
●コメント返信までの業務フローの明確化
コメント返信までの業務フローを明確化することも重要であると考えられています。コメントが書き込まれてから、いつまでに、どのくらいの文字数で、どのくらいの時間を使って返信するのか。また返信する文章の社内チェック体制を整えたり、返信例をあらかじめ用意しておいたりするのもポイントになります。
3.まとめ
Weibo(微博・ウェイボー)にてユーザーやフォロワーとコミュニケーションを積極的に行うことは、口コミが重視される中国においてとても有意義な取り組みといえます。しかしすべてのコメントに返信することは現実的にむずかしいことから、ルールを決めて効率よく運用することが求められるでしょう。