1.中国プロモーションのうまい事例3つ
中国プロモーションには、大きく分けて二つあります。それは中国に向けてECサイトを作り、中国人ユーザーたちを集客する方法です。もう一つが、日本に観光などで訪れた訪日中国人観光客へアプローチする方法です。
さらに、この二つを別々に活用したプロモーション方法だけでなく、両方を活用したプロモーション方法もあります。このような方法を用いて、中国という国や中国人たちに特化したプロモーションがとくに“うまい”といえる事例を見ていきましょう。
1-1.中国への「越境EC」プロモーション事例
2016年4月に中国政府が税制上の優遇を行ったことにより、中国における日本の越境ECサイトでは、日本国内で買うよりも安く買えるようになっています。
こうした今チャンスというべき中国越境ECへ参入するには、やはり準備が必要になります。しかし、自社サイトをただ中国向けに作るといった場合、集客に時間がかかるため、中国の人気ECモールに出店するのが主流になっています。日本でいう楽天やヤフーに出店するのと同じ方法です。
もし日本では売れているが、中国で売れなかったらどうしよう、という不安がある場合、まずは「出品」だけをする方法を取る企業もあります。店舗を出すのではなく、単品で出品し、まずは売れ具合を見ているのです。
このような「モール出店」「出品」は慎重なプロモーション事例ではありますが、ポイントは、この「中国で売れる商品を実際に売ってみてリサーチする」ところにあります。
1-2.中国人「インバウンド」向けプロモーション事例
越境ECのほうが実店舗よりも安く買えることもあり、中国人の日本での「爆買い」傾向が低迷しています。よって、実店舗に誘導することは急務といえます。このような中、いかにインバウンドの購買率を高めるかを考えたときに、有効なのが「サンプリング」の方法です。
中国人向けWebサイトを制作し、今中国で人気のSNS「Weibo(微博・ウェイボー)」上の口コミ拡散などを利用して、商品・ブランド認知を図ります。そして商品のサンプルを郵送し、実際に使ってもらうことで、好印象が得られたユーザーに「この商品、日本のどこで売ってるの?」「今度日本に行ったときに買おう」と思わせるという方法です。
爆買い傾向が減少する中、口コミ拡散による実店舗誘導は、欠かせない施策といえます。
1-3.「越境EC」と「インバウンド」両方を活用した中国プロモーション事例
越境ECとインバウンド両方を活用した方法もあります。まずは中国国内で、ネットを介してクーポンを配布し興味を引きます。これには、KOL(Key Opinion Leader)と呼ばれる中国で絶大な支持を集めるインフルエンサーに情報を拡散してもらう方法が効果的です。
例えば、KOLが発信した情報を見たファンたちは、「この人が勧めているくらいだからよほどトレンドに乗った、良いものなのだろう」と思い、買い物リストにその商品を追加する可能性が高まります。そうなれば、ファンたちが日本に訪れた際、その商品を購入する可能性は上がるでしょう。そしてファンたちが帰国後、その気に入った商品を販売する越境ECサイトの存在を知れば、帰国後もリピート購入してもらえる可能性もあります。
この事例では、まずはインバウンドを店舗に呼び込み、その後、リピーターを越境ECで拾うという良いサイクルを作っています。